収蔵作品展Ⅰ 早出守雄展―空と水を描かせれば、誰にも負けない―

突然ですが、皆さんは、「水彩画」と聞くと、どんな絵をイメージしますか?

透明感のある、ほわ~っと優しい感じでしょうか?

 

5月12日(木)から開催の「早出守雄展」の水彩画家、早出守雄の絵は、ぜんぜん違います!!

まず、絵を見た人の90%くらい(?)は油絵と間違えると思います^^

たとえばこの作品!!

7 水辺の秋 P40

《水辺の秋》 1969年 水彩

濃~い絵の具がエネルギッシュに塗られています。

よく油絵に使われるコテで水彩絵の具を塗っているんです!!!

近くで見るとタッチは荒いのに、離れて見ると写実的に見えるのが不思議です...

水面も不思議と透明でさわやかに見えますね✧

 

こちらも力強い感じですね!!

17 信濃の駅 P20

《信濃の駅》 1955年 水彩

建物の屋根や空など、きっぱりした色味の中を、白い道が横切っていて、コントラストが効いてますね!!

道がぐるんと曲がってるのも、おもしろい感じです。

 

岡谷市出身の早出守雄は、地元の高校で美術教師をしながら絵を描きました。

構図には特に気を使い、絵を描くよりも、絵になりそうな場所を見つけるほうが時間がかかったそうです!!

絵を描くのはすごく早くて、1日で完成したこともあったとか!!!

若いころはアトリエを持たず、「現場が仕事場」という制作スタイルだったので、乾くのが早い水彩絵の具を選んだのだそうです。

ほかにも、こんなちょっと変わった作品もあります。

11 残雪 F30

《残雪》 1962年 水彩

黒い直線がガチっと引かれてますね~

早出は東京美術学校(現東京藝術大学)時代に書道も勉強し、その後も線を練習するために書をよく書いていたといいます。

こんな風に直線をアクセントにした作品もたくさん残しています。

また生前、「空と水を描かせれば誰にも負けない」と言っていたそうです。

その言葉のとおり、これからの季節にぴったりの、空と水がさわやかに描かれた作品が多いです♪

15 真夏の道 P30

《真夏の道》 1958年 水彩

すべて戦後から30年以内に描かれた作品なので、昭和の懐かしい岡谷周辺の風景を楽しんでいただくにもよいと思います!!

 

会期は5月12日(木)から7月11日(月)までです。

なんと1階と2階の2会場☆ 早出守雄の世界に思いきり浸っていただけます!!!